【観戦記】桐生高校×利根実業高校(令和5年7月10日:小倉クラッチスタジアム)

「球都桐生」のメイン球場・小倉クラッチスタジアムで、地元の古豪・桐高の試合ということで、平日にしては多くのお客さんがいらっしゃいました(『え?今日の相手って、福田さんの学校(注:たぶん利根商)じゃないの?』とか言ってる人もいましたが笑)。

 

試合が動いたのは3回裏。桐生の8番町田君がサードへの内野安打で出塁すると、すかさず二盗。キャッチャーからの送球が逸れる間に三塁へ進みます。

ここで、9番渡辺君がセンターに弾き返し、町田君を迎え入れると、1番樺沢君、2番川岸君、3番岸川君の連続ヒットでこの回一挙4得点とします。

f:id:Nate_boy:20230711225041j:image

4回裏にも、相手エラーで出塁した6番加藤君を犠打で2塁に送ると、8番町田君、9番渡辺君の連打で1点を追加。さらに、1番樺沢君がサードへのバントヒット、2番川岸君がライト前タイムリーで続き、3番岸川君のタイムリーでさらに二者が生還。この回も4点を挙げ、8対0と大きくリードします。

追いつきたい利根実は6回表、渡辺君をリリーフした樺沢君から、2番金井君がレフト前に運んで出塁すると、3番青木君がフォアボールを選んで一死一、二塁とします。ここで、4番吉岡君の打席で、替わったキャッチャー笠原君のミットがバットに当たってしまい、打撃妨害。利根実はこの試合初の大きなチャンスを迎えますが、ここは樺沢君が踏ん張り、後続を二者連続三振に切って取ります。

f:id:Nate_boy:20230711231631j:image

7回には、替わったピッチャー 栗原君から、先頭の7番大塚君がピッチャー 後方への内野安打で出塁すると、続く8番小林君がセンターへ意地のツーベースヒットを放ち、無死二、三塁を作ります。

f:id:Nate_boy:20230711232645j:image

しかし、9番小野君がライトフライに倒れると、再び登板した樺沢君の前にまたも二者連続三振。7回コールドで、桐生が勝利をおさめました。

 

・桐生の2番手、樺沢君は、キャッチャーで先発出場→ピッチャー →センター→ピッチャー と、三刀流(?)の大活躍でした。

 

・声出し解禁となり、両校のエール交換も行われていました。やっぱり高校野球は応援がないとね☺️

【観戦記】沼田高校×藤岡北高校(令和5年7月10日:小倉クラッチスタジアム)

大会2日目。春の関東覇者・健大高崎への挑戦権を賭けた試合は、この日、最高気温37.9度を記録した、桐生市の小倉クラッチスタジアムで行われました。

藤岡北の先発はエース内田君。キレのある直球ら130キロ台後半を記録。初回を三者凡退で危なげなく切り抜けます。

f:id:Nate_boy:20230710221550j:image

沼田もエース松井君が先発。球速では内田君にやや譲るものの、デッドボールで出したランナーをダブルプレーで仕留め、こちらも初回を三人で片付けます。

f:id:Nate_boy:20230710221608j:image

試合が動いたのは2回表。沼田の4番阿部大君がライト前ヒットを足がかりに一死一、三塁を作ると、7番佐々木君の内野ゴロの間に阿部君が生還し、沼田が1点を先制します。

追いつきたい藤岡北ですが、3回裏には二死二塁からサードライナー。4回裏には無死二塁から4番富澤君のセンターへ抜けるか、という当たりを、沼田のショート綿貫君がダイビングキャッチと、チャンスをものにできません。

一方の沼田は、4回には阿部颯君、佐々木君のタイムリーで3点、5回には阿部大君のタイムリスリーベースや相手バッテリーエラーで5点を追加し、試合を決定づけます。

意地を見せたい藤岡北は6回、ヒットとフォアボールで無死満塁の絶好のチャンスを作ると、4番富澤君がレフト前に弾き返して待望の1点。さらにスクイズでもう1点追加した後、8番野口君にもタイムリーが飛び出し、この回一挙に3点挙げます。

f:id:Nate_boy:20230710230253j:image

しかし、7回以降は沼田2番手の戸丸君に反撃を封じられ、逆に8回には二つの押し出しで2点を献上。8回コールドで沼田が勝利しました。

 

・12安打を放った沼田打線は強力。序盤は攻め手を欠いていた印象ですが、叩きつけるバッティングができていた感じですね、

 

・藤岡北の内田君、最速は138km。序盤はいい感じだったのですが、味方エラー、バッテリーエラーがやや多かったですね。

【観戦記】前橋商業×東農大二(令和5年7月9日:高崎城南球場)

第105回記念大会の観戦は、1回戦屈指の好カードからスタート。7時30分には到着する予定でしたが、立体駐車場に入るまで既に渋滞、内野スタンドもほぼ満員で…いやはや汗

f:id:Nate_boy:20230709225927j:image

前商先発はエース坂部君。初回から140キロ台後半の直球を投げ込んできますが、いきなり東農大二打線が襲いかかります。

2番田中君がライト前ヒットで出塁すると、盗塁・パスボールで二死三塁とチャンスを作り、4番関根君がレフト前に弾き返して早くも先制。「青山ほとり」の演奏中に5番安原君がライトスタンドに放り込み、リードを3点に広げます。

東農大二先発は成田君。前商2番齋藤君にソロホームランを浴びますが、その後は要所を締めて2回3回を無失点に抑えます。

前商坂部君も、2回以降は緩急をつけた投球で東農大二打線を寄せ付けません。

3対1で迎えた4回裏、前商の4番真藤君が左中間にソロホームランを放ち1点差とすると、ヒットで出塁した5番渡辺君を1塁に置いて、7番竹川君がライトスタンドに2ランを叩き込んで試合をひっくり返します。

続く5回裏、東農大二はマウンドに小林君を送りますが、前商打線の勢いを止めることができません。3番小池君にライト前ヒットを許した後、4番真藤君をレフトフライに打ち取りますが、その後はヒット、エラー、フォアボール、ワイルドピッチと3点を献上。リリーフした宮一君もヒットとフォアボールで追加点を許し、最後は5番渡辺君の左中間へのスリーベースでこの回9失点。10点差となり、5回コールドが成立しました。

 

・坂部君が最速147km、成田君が141kmでしたが、「城南ガン」に慣れているのか、周囲の反応はさほどでもありませんでした笑

 

・前商打線、3回までは成田君を打ちあぐねていましたが、9つのアウトのうち7つがフライアウトでした。この点は反省点かも。

 

・両校、応援が素晴らしかったです。やはり高校野球は、野球部だけのものではないですね。感動しました🥹

 

 

【雑記】得点ファンファーレ

得点時のファンファーレとしては農大二高(青山ほとり)や前橋育英(旧今江応援歌)のものが有名ですが(個人的には前商の校歌も好き☺️)、この春観戦した桐生高校と太田高校のファンファーレが、同じであるということに気がつきました。

R1.5.10 太田高校応援団 先制! 愉快だね節 - YouTube

(桐高の「感激の桐高」は良い感じの動画がありませんでしたが,歌詞が違うだけで曲は一緒です笑)

調べてみるとこの曲、「メーデー歌」として有名だったようですが、そのルーツは明治23年に発表された「小楠公」という軍歌にさかのぼるようです。

作曲者である永井建子氏は歌詞の序文に、

本曲譜は七五調にて作りたる長編の軍歌にして、未だ曲なきものにはこの句節にて謡はしむるの作意なれば、ここには小楠公の一編を借りその名称となす。

と記していますから、いわば軍歌の汎用メロディとして扱われていたのでしょう。

桐高・太高のみならず、全国的にも多くの学校で応援歌として採用されていたらしく、茨城の竜ヶ崎一高では校歌のメロディとなっているようです(そういえば、高校の時の数学の先生が、『母校(竜ヶ崎一高)の校歌と桐高の応援歌が同じメロディなんだよ!』と興奮してましたね)。

夏の大会でも、各校、ブラスバンドプラス声援の元気なファンファーレを聞かせてほしいですね☺️

 

…余談ですが、春大の農二対桐生清桜戦、22対3で農二が勝っているのですが、「青山ほとり」は何回やったんだろう…?

 

 

【雑記】"球都桐生"に注目!

桐生市が、「球都桐生プロジェクト」として、「野球をテーマにした公民連携によるまちづくり」を進めています。

球都桐生プロジェクト|桐生市ホームページ

「球都」を標榜する理由はリンク先にまとめられていますが、その一つとして、現在桐生市に所在する高校が、2021年に合併新設された桐生清桜高校を除いて、全て(桐高、桐工、桐商、樹徳、桐生第一)甲子園出場経験がある、という点を挙げています。

とはいえ、桐商は2014年、桐高が1978年、桐工に至っては1960年を最後に甲子園からは遠ざかっていますから、若いファンにとっては印象が薄いのかもしれませんが…🥺

 

1978年(昭和53年)、この年桐高は、春夏連続で甲子園の土を踏んでいます。春のセンバツでは準決勝に進出し、惜しくも2対3で敗れていますが、当時の盛り上がりは相当だったことでしょう。

当時の桐高の二枚看板が、今なおオールドファンの記憶に残る「木暮・阿久澤」です。

エース・木暮洋と4番・阿久澤毅。

この二人は掛け値なしに全国区の選手として扱われており、雑誌の特集でも「全国制覇だ!」と言われてしまうほど期待されていたようです。

f:id:Nate_boy:20230507210922j:image

今年は桐生球場…いや、小倉クラッチ・スタジアムで東京六大学オールスターゲームも開催されるとのこと。

球都桐生プロジェクトに注目したいですね。

 

 

【雑記】なにかが起こる……?

群馬大会では長く「二強」として君臨する、前橋育英高校と高崎健康福祉大学高崎高校。

この二校の直接対決といえば、単に実力が拮抗している、というだけでなく、試合展開も一筋縄ではいかないことが多く、ファンの中にも「なにかが起こる」という期待を持って観戦している方も多いのではないでしょうか。

歴史を紐解いてみると、前橋育英がベスト8常連となったのが平成15年頃からでしょうか。そこから10年、平成25(2013)年の選手権大会において、高橋光成投手を擁して全国制覇を成し遂げたのは、記憶に新しいところです。

一方の健大高崎野球部は、創部が平成14(2002)年。菊池飛雄馬氏が入部して話題をさらった平成18(2006)年には、秋大会で準優勝し、関東大会に初出場しています。

高野連のHPで見る限り、両校の公式戦初対決は平成24(2012)年の春季大会。この時は健大が3対1で勝利をおさめています。

 

記憶している限り、印象的で劇的だったのは、なんといっても平成28(2016)年大会の決勝戦です。8回表まで4対1と育英がリードしていましたが、健大が8回裏に2点、9回裏に1点をあげて追いつき延長戦へ。12回表に育英が一挙4得点で勝負を決めたのですが、一般客まで巻き込んだ「See Off」の迫力はある種の恐怖すら感じるほどでした。

f:id:Nate_boy:20230505230617j:image

しかしこうして見ると、丸山和郁、小川龍成、山下航汰、湯浅大…。すごい世代ですね笑。

 

【観戦記】前橋育英×健大高崎(令和5年5月4日:高崎城南球場)

GWの一大イベント、関東大会進出を賭けた準決勝第一試合は、前橋育英健大高崎の対決。混雑を予想して午前7時ごろに駐車場に入りましたが、チケット購入待ちの列は既に石段の後方まで伸びており…汗

 

健大高崎先発は、エース小玉君。初回、前橋育英打線を三振、遊ゴロ、三振と完璧な立ち上がりを見せます。

一方の前橋育英先発は、背番号7の左腕、黒岩君(昨秋も投げていましたね)。先頭半田君に対して2ボール2ストライクと追い込んだ後の5球目をレフトスタンドに運ばれ、早くも1点を失います。

追いつきたい育英は2回表、先頭の4番黒岩君がセンター前ヒットで出塁しますが、健大のキャッチャー箱山君からの牽制で刺されてしまいます。3回表にも振り逃げで出塁した8番松本君を送って二死二塁を作りますが、1番境野君が見逃し三振に倒れ、反撃の糸口を掴めません。

 

健大先発の小玉君、この日の最速は147kmでしたが、主体としていたのは140km近辺の直球。これに変化球を織り交ぜて、育英打線を抑え込みます。4回5回は全てのアウトを三振で取るなど、5回までに11の三振を奪います。

育英の黒岩君も、半田君に先頭打者本塁打を浴びて以降は、5回二死まで健大打線に一本のヒットも許さない快投を見せます。

5回裏二死、フォアボールで出塁していた健大7番川口君が、團之原君の打席で二盗を決め、さらに黒岩君からの牽制球が逸れる間に三塁を陥れます。ここで團之原君の当たりはサードを強襲。これが内野安打となって川口君が生還し、健大がリードを拡げます。

さらに6回裏、健大は、この回から登板した育英高橋君に対し、先頭の2番狩野君がライト線へのツーベースで出塁。4番箱山君がセンター前に弾き返して狩野君を迎え入れ、3対0とします。育英はこの場面で、ピッチャーをエースの信澤君にスイッチ。盗塁失敗とセカンドゴロでこのピンチを切り抜けます。

7回表、育英は5番石川君がライト前ヒットを放ち、2回以来久しぶりに先頭打者を出塁させます。ゲッツー崩れで走者が入れ替わったところで、育英は先ほど登板したばかりの信澤君に替えて田口君を代打に送ります。田口君は粘った後にフォアボールを選び、一死一、二塁とチャンスを拡げますが、8番松本君、9番新井君は連続三振に倒れ、得点を奪うことができません。

7回裏、育英マウンドは岩崎君が登板。先頭の6番増渕君がショートへの内野安打で出塁すると、盗塁を警戒しすぎたのか岩崎君の牽制球が逸れ、増渕君は一気に三塁へ。ここで7番川口君がライトへ犠牲フライを打ち上げ、終盤に来て4対0とさらにリードを拡げます。

今日の小玉君の出来からすると、4点は難しいかな…と思いきや、簡単には終わらないのがこの対戦。ドラマは9回に待っていました。

先頭の5番石川君がセンター前ヒットで出塁すると、6番塩谷君の当たりは左中間を破り、無死二、三塁と絶好のチャンス。ここで打席に立ったピッチャーの岩崎君が、期待に応えてライト前にタイムリーヒット。二者が生還して4対2と2点差に詰め寄ります。ここで育英ベンチは代打攻勢で勝負をかけます。キャッチャー松本君の代打・榎本君は三振に倒れますが、9番新井君への代打植杉君がセンターバックスクリーンに同点のツーランホームラン。土壇場で試合を振り出しに戻します。

9回裏、育英は松本君に替わって、ショートを守っていた久保田君がマスクを被ります。

健大先頭の増渕君、レフト前ヒットで出塁すると、続く川口君への初球ですかさず二盗。キャッチャー久保田君がお手玉で投げられなかったのを見て取ったか、さらに3球目で三盗を敢行します。ここで、久保田君からの送球が逸れ、レフトは転がる間に増渕君がサヨナラのホームイン。5対4で健大高崎が勝利しました。